東洋医学において『精』とは、人体の構成や生命活動を維持する最も基本的な物質である。
精は、組織や器官を滋養する働きや、気や血を変化・生成し、生命活動を維持する働きを持つ。
精の分類
・精は先天と後天に分けられ、各臓腑に分配されて臓腑の精となる。
・一部の精は生殖に関する作用を有し、これを生殖の精という。
a. 先天の精
・先天的に父母から受け継いだ物質で、腎に貯えられる。
・人体の成長や発育の源
b. 後天の精
・脾胃(消化系)の働きによって飲食物から後天的に得られる。
・後天の精の一部は気や血に化生されて全身の組織や器官にいきわたる。
・残りの一部は腎におさまり、絶えず腎精を補充している。
c. 臓腑の精
・各臓腑を滋養する。
・臓腑の気を化生し、その生理機能を維持している。
d. 生殖の精
・人は生殖活動に過程において、男女双方の生殖の精が結合することにより新たな生命を誕生させる。
※aとbは源による分類、cとdは機能による分類
現在においても「精力をつける」という言葉はあり、この精と以上に挙げた精とイメージは同じです。
先天の精は年齢を重ねていくうちに消耗していってしまうため、飲食物(後天の精)の補充が不可欠です。
ということは、いかに飲食物が重要であるかがわかると思います。
食生活=人生といってもいいかもしれませんし、=その人そのもの、ともいえるかもしれません。
次回は精の作用をみていきたいと思います。